対数線形モデルは、分割表の各セルにおける期待値を対数変換し、それを各属性の主効果およびそれらの交互作用で説明するモデルである。対数線形モデルを用いた解析では、通常、飽和モデル、加法モデルおよび最小モデルの 3 つのモデルを想定して解析を進める。
例えば二次元分割表の場合は、3 つのモデルは以下のように数式で表すことができる。ただし、2 つの属性を A = {α1, α2, ..., αa}、B = {β1, β2, ..., βa} のように複数の値がとりうるものとする。ただし、セル ij の真の値(度数)を μij とし、(αβ)ij を αi と βj の相互作用とする。
飽和モデル | \[ log(\mu_{ij}) = \lambda + \alpha_{i} + \beta_{j} + (\alpha\beta)_{ij}\] |
加法モデル | \[ log(\mu_{ij}) = \lambda + \alpha_{i} + \beta_{j}\] |
最小モデル | \[ log(\mu_{ij}) = \lambda \] |
飽和モデルは複雑であるから、加法モデルに関して、一例を取り上げる。例えば以下のような分割表を加法モデルで表す。
α1 | α2 | |
β1 | 2 | 1 |
β2 | 0 | 1 |
\[
\log \begin{pmatrix} \mu_{11} \\ \mu_{12} \\ \mu_{21} \\ \mu_{22} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \lambda \\ \lambda \\ \lambda \\ \lambda \end{pmatrix}
+ \begin{pmatrix} \alpha_{1} \\ \alpha_{2} \\ \alpha_{1} \\ \alpha_{2} \end{pmatrix}
+ \begin{pmatrix} \beta_{1} \\ \beta_{1} \\ \beta_{2} \\ \beta_{2} \end{pmatrix}
\]