キュムラント母関数

確率変数 X のモーメント母関数 MX(t) に対し、

\[ K_{X}(t) = \log(M_{X}(t)) \]

となる関数 KX(t) をキュムラント母関数という。

キュムラント母関数を級数展開したとき、その係数列をキュムラントという。また、係数 κn を n 次のキュムラントという。

\[ K_{X}(t)=\sum_{n=1}^{\infty}\frac{t^{n}}{n!}\kappa _{n} = 0 + t\kappa _{1} + \frac{t^{2}}{2!}\kappa _{2} + \cdots \]

n 次キュムラントは次のように計算できる。

\[ \kappa_{n} = \left . \frac{\partial ^{n}}{\partial t^{n}}K_{X}(t) \right | _{t=0} \]

Z = X + Y のとき、Z のキュムラント母関数は X と Y のそれを用いて次のように計算できる。

\[ Z = X + Y \Longrightarrow K_{Z}(t) = K_{X}(t)+K_{Y}(t) \]

歪度と尖度

確率分布の形の特徴を表す指標として、歪度と尖度がある。歪度は分布の対称性を示す指標であり、尖度は分布の尖りの具合を示す指標である。キュムラントと歪度 β1 ・尖度 β2 との間は次の関係が成り立つ。

歪度

歪度は次式によって定義される。ただし、σ は、確率変数 X の標準偏差を表す。分布が正規分布のとき、分布は左右対称であるため歪度はゼロになる。

\[ \beta_{1} =\frac{\kappa_{3}}{\kappa_{2}^{\frac{3}{2}}} = \frac{\mu_{3}}{\sigma^{3}} \]

尖度

尖度は次式によって定義される。このとき、正規分布の尖度はゼロである。

\[ \beta_{2} = \frac{\kappa_{4}}{\kappa_{2}^{2}} = \frac{\mu_{4}}{\sigma^{4}} - 3 \]

一方で、正規分布の尖度を 3 と定義する場合もある。このとき、尖度は次のように計算する。

\[ \beta_{2} = \frac{\mu_{4}}{\sigma^{4}} \]