中心極限定理

中心極限定理は、母集団の分布の形に関係なく、その母集団から独立にサンプリングした n 個の標本の和 Sn = x1 + x2 + ... + xn の分布が、n が十分に大きくなると、正規分布に近似できることを定理として表したものである。中心極限定理は次のような形で表される。

limnP(aSnnμnσb)=ab12πexp(x22)dx

この式を言い換えると、n が十分に大きければ、n 個の標本の和 Sn は、平均 nμ および分散 nσ2 の正規分布に近づく。

Sn=x1+x2++xnN(nμ,nσ2)

また、「母集団からサンプリングを行い、Sn を計算する」試行を m 回繰り返したときに得られる m 個の Sn の分布は、平均 μ および分散 σ2/m の正規分布に近づく。

x=SnnN(μ,σ2m)

そのため、母平均を正確に推定するためには、母集団からサンプリングする際の標本数を増やし、かつサンプリング作業を繰り返すことが必要である。