分散不均一モデル

時系列データを解析するための基本モデルの多くは、ノイズの分散が一定であることを仮定している。自己回帰モデルや自己回帰移動平均モデルなどがそうである。これに対して、ノイズの分散が変動していることをモデルに取り組んだものとして、自己回帰分散不均一(ARCH)モデルや一般化 ARCH (GARCH) などがある。

p 次の ARCH モデルは次のように定式化できる。μt は期待値で、ut がノイズとなる。また、ノイズは、ホワイトノイズ ε に条件付き分散の平方をかけた値となっている。

\[ y_{t} = \mu_{t} + u_{t} \] \[ u_{t} = \sqrt{h_{t}}\epsilon_{t} \quad \epsilon \sim \mathcal(0, 1) \] \[ h_{t} = \omega + \sum_{i=1}^{p}\alpha_{i}u_{t-i}^{2} \]

このモデルにおいて、例えば t - 1 時点にノイズが突然大きくなったとすると、その影響が ht に記憶されて、最終的に yt のノイズもその影響を受けて大きくなる。

ARCH モデルでは、条件付きの分散 ht は、過去のノイズだけに影響されている。これに対して、条件付きの分散 ht に、過去のノイズからの影響に加えて、過去の条件付き分散の影響も加えて一般化したモデルを一般化自己回帰分散不均一(GARCH)モデルという。GARCH は次の方程式で表せる。

\[ y_{t} = \mu_{t} + u_{t} \] \[ u_{t} = \sqrt{h_{t}}\epsilon_{t} \quad \epsilon \sim \mathcal(0, 1) \] \[ h_{t} = \omega + \sum_{i=1}^{p}\alpha_{i}u_{t-i}^{2} + \sum_{i=1}^{q}\beta_{i}h_{t-i} \]